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ホストクラブの仕組みと「売掛金」問題:法改正で何が変わったか、性風俗との危険なつながり

執筆・監修:Dr.Taro(性感染症内科医)|2026年10月6日

ホストクラブは、男性従業員(ホスト)が女性客を接客する飲食店です。それ自体は合法な業態ですが、近年、高額な「売掛金」(ツケ)を背負わされた女性客が、返済のために性風俗や売春、さらには海外への出稼ぎに追い込まれる問題が社会問題化しました。これを受けて風営法が改正され、規制が強化されています。この記事では、ホストクラブの仕組みと売掛金の問題、法改正の内容、そして性の健康との関わりを解説します。個別の店舗の紹介はしません。

ホストクラブの仕組み

売掛金と「色恋営業」の問題

問題になってきたのが、売掛金、つまり客がその場で払わずに後払いにする「ツケ」の仕組みです。所持金以上の高額な注文をさせ、売掛金として借金を背負わせる。そして、客の恋愛感情を利用して「自分のために」とさらに注文させる。こうした「色恋営業」によって、数百万円もの売掛金を抱える女性が現れました。

返済に困った女性に、性風俗店で働くことや、路上やSNSで売春をすることを勧める、あるいは仲介業者(スカウト)に紹介するといった事例が報道され、ホストクラブと性風俗、売春、さらには海外への出稼ぎ(海外の風俗への出稼ぎ)が結びついた構造が明らかになりました。

法改正で規制が強化された

こうした問題を受けて、2025年に風営法が改正され、2025年6月28日に施行されました。警察庁の資料によると、主な内容は次のとおりです。

ホストクラブなど接待飲食店の「してはならない行為」の追加

罰則のある禁止行為の新設

そのほかの改正

法律が変わったことで、売掛金をめぐる悪質な営業は取り締まりの対象になりました。ただし、法律ができたからといって、すべての被害がなくなるわけではありません。

のめり込まないために

困ったときの相談先

売掛金の支払いのために性風俗や売春を求めることは、法律で禁止された行為です。一人で抱え込まず、相談してください。

ホストの側の事情

ホストクラブの問題を考えるとき、ホストの側の事情にも目を向ける必要があります。ホストの多くは、売り上げに応じた歩合制で働き、売り上げが少なければ収入はわずかです。店によっては、高いノルマや、売掛金が回収できなかったときにホストが肩代わりする仕組みがあり、ホスト自身が借金を抱えることもあると報じられています。若いホストが、こうしたプレッシャーから強引な営業に走る構造もあります。客もホストも追い詰められる仕組みそのものが、法改正で問われたといえます。

なお、ホストクラブを利用すること自体は違法ではありません。料金体系を理解し、自分の財布の範囲で楽しむ分には、娯楽の一つです。

医師からひとこと

売掛金の返済のために、望まないまま性風俗や売春の世界に入った人は、性感染症のリスクに気づきにくく、検査や治療が後回しになりがちです。保健所では、HIVや梅毒などの検査を無料・匿名で受けられるところが多くあります。排尿時の痛み、おりものの変化、性器や口のできもの、体の発疹などがあれば、婦人科や性感染症内科を受診してください。また、ホストクラブでの大量の飲酒は、急性アルコール中毒や肝臓の障害の原因になります。体と心の健康を守ることを、何よりも優先してください。

参考資料

T
Dr.Taro

性感染症内科医。YouTube「性病医 Dr. Taro」で性の健康について発信中。