カップル喫茶とは:「見せ合う」店の仕組み、公然わいせつで客まで逮捕される理由、性感染症のリスク
カップル喫茶は、カップルで来店し、店内で性的な行為をしたり、ほかのカップルの行為を見たり、見せたりすることを目的とした店です。「相互鑑賞」と呼ばれることもあり、スワッピング(パートナーの交換)の場になることもあります。ハプニングバーと並んで、日本の「大人の遊び場」として語られることがありますが、その営業は法律上大きな問題を抱えており、店の経営者だけでなく客までが逮捕された事例があります。この記事では、カップル喫茶の仕組み、法律上の問題、そして性感染症のリスクを解説します。個別の店舗の紹介はしません。
カップル喫茶の仕組み
- カップル単位で入店:男女のカップルで来店することが基本で、単独の男性客は入店できないか、条件つきとしている店が多いとされます。単独の女性客を受け入れる店もあります
- 料金:カップル料金、単独女性の料金などが決まっていて、時間制やフリータイム制をとる店があります
- 店内の構成:飲み物を飲みながら過ごすスペースと、性的な行為をするための部屋(プレイルーム)が分かれていることが多く、ほかの客から行為が見える構造や、のぞき窓が設けられていることもあります
- 店の役割:店の従業員が性的なサービスをするわけではなく、客どうしが店内で行為に及ぶ「場所」を提供している、という建前です
雑居ビルやマンションの一室で、看板を出さずに会員制で営業している店が多いとされます。
なぜ客まで逮捕されるのか:公然わいせつ罪
カップル喫茶の摘発で問題になるのは、刑法の公然わいせつ罪です。公然わいせつ罪は、不特定または多数の人が認識できる状態でわいせつな行為をすることを処罰するもので、自分たちのパートナーどうしの行為であっても、ほかの客が見られる状態で行えば、この罪に当たる可能性があります。
実際に、2013年には、東京都品川区のマンションの一室で約10年にわたって営業していたカップル喫茶が摘発され、経営者と従業員が公然わいせつとそのほう助の疑いで、店内にいた男女の客6人が公然わいせつの疑いで逮捕されたと報じられています。この店は、カップル6000〜8000円、単独女性3000円のフリータイム制で、毎月約300万円の売り上げがあったとみられています。
つまり、カップル喫茶は「店に行っただけ」のつもりでも、その場で現行犯逮捕される可能性がある場所なのです。逮捕されれば、職場や家族に知られる、報道で名前が出るといった社会的な影響も避けられません。
カップル喫茶はなぜ生まれたのか
カップル喫茶が話題になったのは1990年代ごろといわれます。自宅では得られない刺激を求めるカップルや、ほかのカップルと性的な関心を共有したい人たちの「隠れた社交場」として広がりました。一方で、取り締まりも繰り返され、看板を出さない会員制の小規模な店が中心になっていきました。
ハプニングバーとの違い
ハプニングバーは、単独の男女を含むさまざまな客がその場で出会い、合意すれば行為に及ぶ店です。これに対してカップル喫茶は、もともとカップルで来て、自分たちの行為を見せ合うことが中心です。ただし、実際にはスワッピングが行われたり、単独の客を受け入れたりと、両者の境目はあいまいになっています。法律上のリスクは、どちらも同じです。
パートナーとの関係で気をつけたいこと
- 同意は二人ともに必要:一方が行きたがり、もう一方が断りきれずについていく、というケースもあります。見られること、ほかの人と接触することへの同意は、パートナーどうしであっても、その都度、言葉で確認する必要があります
- その場で「やめたい」と言える関係か:店に入ったから、ほかのカップルがいるから、といった理由で、嫌なことを我慢してはいけません
- 強要は暴力:パートナーに無理やり連れて行く、断るのを許さない、というのは性的な暴力であり、DVです
- 撮影:撮影禁止の店でも、隠し撮りのリスクはあります。映像が流出すれば、取り返しがつきません
性感染症のリスク
自分たちのパートナーとだけ行為をする場合でも、同じ部屋でほかのカップルと接触する可能性がある、スワッピングに発展する、といった状況では、性感染症のリスクが一気に高まります。
- 相手が変わるたびに、必ず新しいコンドームに付け替える。付け替えなければ、前の相手の感染症を次の相手にうつすことになります
- オーラルセックスでも、淋菌、クラミジア、梅毒、ヘルペスはうつります
- 酒の勢いでコンドームを省略しない
- 店に置かれた道具や寝具は、多くの人が使っている可能性があることを忘れない
こんな症状があれば受診を
パートナー以外の人との性的な接触があった場合は、症状がなくても適切なタイミングで、性器だけでなくのどの検査や、梅毒・HIVの血液検査を受けてください。排尿時の痛み、おりものの変化、性器や口のできもの、発疹などがあれば、泌尿器科、婦人科、性感染症内科を受診してください。パートナーに感染させないためにも、二人そろって検査を受けることをおすすめします。