CULTURE

日本人が海外で性風俗を利用するとき、合法なのはどの国か:法律から見るガイド

執筆・監修:Dr.Taro(性感染症内科医)|2026年10月9日

海外旅行や出張の際に、現地の性風俗を利用することは法律上どうなのか。このテーマについては、ネット上に不正確な情報も多く出回っています。この記事では、まず日本の法律で何が罰せられるのかを確認し、そのうえで、現地の法律で客が処罰されない国と、客も処罰される国を、「各国の性風俗事情」シリーズで調べた内容をもとに整理します。性風俗の利用を勧めるものではありません。個別の店の紹介もしません。法律と健康のリスクを正しく知るための記事です。

まず日本の法律:成人相手なら日本では罰せられない、未成年は国外でも処罰

相手が「18歳以上だと思った」としても、言い訳にはなりにくいことを知っておく必要があります。年齢を偽って働かされている未成年がいる国もあります(バングラデシュの性風俗事情)。

現地の法律で客が処罰されない国・地域

しくみ主な国・地域注意点
合法化して管理ドイツ、オランダ、オーストリア、スイス登録・許可を受けた店で働く人が対象。地域ごとのルールあり
非犯罪化ニュージーランド、ベルギー、オーストラリアのニューサウスウェールズ州・ビクトリア州オーストラリアは州ごとに制度が違う
許可された場所だけ合法ギリシャ(許可を受けた売春宿)、アメリカ・ネバダ州の一部の郡、トルコ(国の許可を受けた売春宿)それ以外の場所での売買は違法
売買そのものは違法でないデンマーク、チェコ、スペイン、ポルトガル、コロンビア、ブラジル、ウルグアイなど売春宿やあっせんが違法な国が多い

いくつか具体的なルールを挙げます。

客が処罰される国:観光客も対象

「店が多い=合法」ではない

タイやフィリピンは、性風俗の店が目立つことで知られていますが、法律上は売春は違法です(タイの性産業、フィリピンの性風俗事情)。黙認されているように見えても、取り締まりや、それを口実にした恐喝に巻き込まれるおそれがあります。中国では、売る人も買う人も行政罰の対象です(中国の性ビジネス)。また、韓国でも性の売買は違法です(韓国の性売買特別法)。

合法な国でも気をつけること

医師からひとこと

合法な国でも、性感染症のリスクは変わりません。健康診断を受けている相手でも、感染してから検査で陽性になるまでの空白期間があります。コンドームは性交だけでなく、オーラルセックスでも使うのが原則です。コンドームが破れたなど、HIVの感染の危険が高い接触があった場合は、72時間以内に抗HIV薬を飲み始める「曝露後予防」という方法があるので、すぐに医療機関に相談してください。帰国後は、症状がなくても、接触から一定期間をおいて梅毒、HIV、クラミジア、淋菌の検査を受けることをおすすめします。受診の際は渡航先を伝えてください。

参考資料

T
Dr.Taro

性感染症内科医。YouTube「性病医 Dr. Taro」で性の健康について発信中。